エンジニアの独自性として、自分だけにしかできないコーディングスキルがあるというのはしばしば重要視されます。もし開発中のシステムのコードが漏洩してしまって第三者の手に渡ったとしても、解読できなければさらに手を加えることは困難だからです。しかし、フリーランスエンジニアとして働く場合には独自性の高いコーディングはあまり重要ではありません。むしろスキルとして求められるのは、誰もがすぐに解読できて改変できるコーディングを卒なく速やかにできることなのです。エンジニアがフリーランスで働くときには正社員と違ってずっと同じクライアントの下で案件を受け続けるわけではありません。
クライアントとしては現場で開発してもらったシステムのコードや、成果物として納品されたアプリのコードなどを社内のエンジニアによって手を加えられなければなりません。その解読のために多くの時間を費やしていたのでは依頼した意味も薄れてしまうでしょう。コーディングが技巧に富んでいて複雑なほど、修練を積んでいるエンジニアでも解読が困難になります。そのようなコーディングをしていると二度と同じクライアントから依頼を受けられなくリスクもあるので注意が必要です。平易でわかりやすいコーディングをするのは実はかなり難しいことです。日頃から心がけていないとできるようにならないので、フリーランスエンジニアとして働くのを目指すなら早めにコーディングの鍛錬を積んでおきましょう。